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2004.07.17

定期更新@少年A増刊 特濃

 角川書店刊 月刊漫画雑誌少年A増刊 隔月刊漫画誌「特濃」8月増刊廃刊號の掲載リストの更新を、拙宅で行なってきました。

 確かに増刊ではあったけど、普通の企画が減って宣伝を兼ねた一発特集が半分を占めてから、がた減りだろうなっては思っていました。この廃刊號も、良く買う本屋では配本が無くて、捜し回って遠くから2番目の店まで市内外近郊を巡回する羽目に。詰まんなくなってきたので、買うのが負担だなぁっと思ってやめよかと思っていたのですが、次号は無いので手切れ金ということで(笑;)

 表紙は、メインディッシュの山崎峰水で『恐れてカッと見開かれた女の目』。線画に赤で着色したドアップ。下に赤の手形がうぢゃうぢゃと… ホラー好きしか手に取りそうも無いですね。ロゴも前髪に埋もれて、差してあるならともかく平積みや面陳では気づかないはずです。一発特集に傾倒し出してから、表紙でひゃ売る気があるのかと言う感じでした。
 誌頭で実写のMAILドラマの特集。母誌は、エースって言う少年漫画誌なのですが、すっかり鬼子の不良になっちゃってという印象が…

 『MAIL』は、母娘が心中を謀ったホテルに出る赤子の地縛霊の話。この手の客商売は、変な噂が立つと困るからお祓いなどやってアピールしたりもするのですが、サングラスかけたぐらいで舞い戻って来るとは良い根性している。最後は救ったつもりなのだろうけど、無理に巻き込まれた挙げ句にああなってしまったモノからすれば、都合が悪くなったから切り捨てられ更に無下にされてと言う感じ。都合が悪く面倒くさいものは、さっさと捨てちゃえと言う現代風ではありますけど、それを傲慢で自分勝手とはもう思われない時代になったのかなぁという感じです。
 『黒鷺死体宅配便』は、新キャラのヤンキー娘など出て来て、来るべくしてきたって感じでこのままゲストでなくレギュラーかって雰囲気です。ところで、御仏蘭西料理ではエスカルゴって、蝸を食わせますよね? 食べたことありますか? 美味しいんでしょうねぇ… それを喰った後読むのが、正しい読み方ですよきっと。しかし、女性で蟲好きで、外人さんで蝗の佃煮などが好きなのにはまいりました。でも、仏蘭西人と一緒にしないでは、笑える。ごく普通の独身男性の部屋にしては、片付き過ぎのような気がしないでもありませんが、まじめにやるとアシさんが死んじゃいますか? こんな奴に限らず、いつの間にか膚の下を這いずり廻っているモノは嫌ですよねぇ。そりゃ、既に何万匹も強制だかしているのは知っていますけど…
 『メガネの中の天使』は、「Hikage's Slow Comic」の読み切り連作の9話目。死んだ爺さんの使いの女の子の幽霊が来てって話。発明家の爺さんっ子だと幽霊くらいでは驚きませんか。ずっと一緒にいたいからロボットになっちゃえというのも、子供ならではの無邪気な残酷さだと思う。それにしても、この娘が生きている人間ならって思えるのですが、そうでないからこのようなひとときの逢瀬を過ごせたのだとも想う。この連作は楽しみにしていたので、特濃と心中せずに本誌へ移ってくれないかなぁ。
 『最近のヒロシ2』も、特農に無理心中くらって惜しまれる作品。いんふぉぉむどこんせんとっていうのは、人体実験の同意書ですか? ゑ゛? 違う?(笑) 携帯とかに限らず、家電品が無くては現代生活がなり経たない以上、電磁波の渦からは逃げ出せないってことで。そんなモノで健康や寿命を削られなくても、食品とか交通災害とか、10代前の御先祖様より桁違いに死に絶え方が増えたと思う。迫る危険性は多角的で、その内のどれか一つを遠ざけても、他のが襲ってきますので、食品や健康法にこだわるのは所詮自己満足とその手の販売会社への奉納金を納めるのに精を出しているのに過ぎない気もしてくるのですが…
 『妖怪小戦争』は、前後編同時掲載の読み切り。「凹村戦争」の作者さんですね。
 『イヌネコ。』も最終回。1巻分で切り良く打切ったという感じです。マキノは、惚れた男が好きな身体を手に入れたが、居直るしかなかった。星野は若い身体を手に入れ、人生をちょっと戻ってやり直せているって感じ。マキノは、数年分の人生と男と引き換えにナイスバディの身体を手に入れましたが、惚れた男が捨てた自分の体と仲よくするのを目の当たりにしてそれを許してしまえるとは、結構良い娘なのかもしれない。寅一も気づかないだけで、大物を取り逃がしたのではないかって気もする。判りやすい身体に惚れているようでその内側の心を好きな事が判ったからということなのだろうか。星川の方も、身体にまつわる過去のトラウマが晴れて、人生をやり直して行けるって感じで、牧野より得しているのかもしれない。もう一つのPNに恥じない、愛の確認シーン付。使えるほど尺は長くはありませんが、雑誌も終わりなので過激でも後腐れ無いしOK
 『甲賀忍法帖・改』は、いいところで終わって、後継雑誌に身を売って看板になるようです。
 『紅い足跡』も、強引にまとめたって感じですね。
 『ぼくらはみな、星のかけら』は、今時の若い子だとこんな人生は惨めっぽくって嫌がるような気もします。しかし、社会に出て人を食うばかりの唯我独尊ではなく、本当に揉まれて苦労して陰りある苦渋を噛み締めた事のある人なら、けっこう味わい深いモノがあると思う。触れられたくない傷に触れられたような気がして、読むのが苦しい下りもありますが、ストーリーの作りがしっかりとしていて、前半にまかれた何気ない伏線が、後半になって次々と暴かれて行って思わぬ本性を曝け出してくる。夢は砕かれきれいに見えていたモノは醜く歪み、惨めに底に落ちたと思っていたのに更にどん底へ叩き落とされて行く。そこで今まで物事の上っ面しか見て来なかった主人公は、その内側に見せかけとは違う中身があることに気づかされ、それまで見えなかったものを見て気づかなかったことを考えてみることに気づかされる。それから彼は、本当に生き始めたのだと思える。お涙頂載物と言われそうだけど、心の襞の表と裏を描いて行くような話は嫌いではありません。本誌の方で次作もよ見たいと思いますが、本誌の方では作風が浮いて見える気もして相容れなさそうなのが気にかかります。知っているところだと、K社のA誌とかは器が大きそうなので、馴染むような気もしますけど。
 『でりつま』も、けっこう愉しみだったのですが、無理心中くらってしまって残念でなりませんねぇ。重い話を読んだ後の箸休めといっては失礼ですが、清涼感に溢れるストーリーで、読後が爽やかです。ショートなので、この方の作品を拝読する為だけに雑誌を買うのは躊躇われますが、今購読している雑誌で連載を持ってくれると嬉しいなぁって感じです。最初は団地妻ネタってことで、生々しいのやら百年の恋も醒める話やらかと腰を引きかけていたのですが、蓋を開けてみれば可愛い奥さんたちばかりで、その愛らしさに病みつきになってしまいました。

 雑誌って言うのは、掲載作の作者さん達が作っているのではなく、編集とかが作っているのですよね。当たり前の事ですが、看板に良いモノを幾つか引っ張ってきても、それを押し引きしたり他のとまとめて雑誌として如何校正するかで、良い素材を残飯にしてしまうことだってあるわけです。船が沈めば、そこに積まれていたモノの多くも共にする。注目していた掲載作が、そんな事で尻切れの詰まらない途切れ方や無理強いした強引な展開をさせられるのは、興醒め以上ではなく残念なことこの上ないモノです。

 合掌…

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