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2004.07.02

定期更新@ZERO-SUM

 一賽舎刊月刊漫画雑誌「ZERO-SUM」08月號の掲載作リストを、拙宅にて更新して来ました。

 表紙は、『破天荒遊戯』から遠藤海成で、「白いおべべで水遊びをするご機嫌ラゼル」。今月号は、第3回ZERO-SUMコミック大賞最終選考で読者大賞用に4本加わっているせいか、分厚いです。往年のアフタヌーンに為張るべく832P約55mmなので、枕とか浮気者の彼に角でえいっとやるのに最適です。
 付録は、表紙開いてすぐに綴じ込みで「COMIC CARD COLLECTION」の袋がついています。安心していると開封されて、袋だけの物を買ってくるかもしれませんので注意。
 誌上通販は、破天荒遊戯のドラマCD。綴じ込みなどなく郵便局から郵便振替用紙を貰って来て、口座番号とか加入者名とかを記入し、欲しい枚数×2500円+送料一律600円と振込手数料(確か、10000迄は70円のはず)を添えて、2004/08/20(Fri)までに振り込むと、2004-09月末にまでには届くらしい。締切が次号発売日前日などでないので注意。主なキャストは、ラゼル=小林沙苗、アルゼイド=桜井孝宏で、約60分ほど収録予定。詳細情報は次号にて発表。

 『コーセルテルの竜術士物語』は、梅雨の最中での竜術師さんちでの補佐竜たちのお茶会。美味しそうな茶菓子の準備を終えてウキウキのリリックですが、外は生憎の雨でしかも夕方にかけてひどくなりそう。で、皆来てくれるかどうか不安になる。ユウシィも空を見上げて億劫に感じるが、ランバルスが迎えに切れくれると聞いて、やっぱり出かけることにする。一番手はメオ、次いでカディオの機転でジェンを誘ってロイとノイ。ところがノイがカディオからのキイチゴ酒をエレに渡そうとするので、リリックが慌てて止めようとするが…。師匠の破れた雨具を繕っていて出遅れたユイシィは、戸口の軒下に立つエレに会う。最後になったラルカが、戸口でエレが飲み干したキイチゴ酒の空瓶を届け、リリックが苦笑い。その頃エレはユイシィを迎えに来たランバルスと雨の中で立ち話。さりげなくランバルスが雨具にエレを入れて話し歩くが、そこに生憎とエレを迎えに来たリリックとユイシィに見つかって…。大雑把な師匠を持つせいか、リリックが細やかに気を回しユイシィをフォローし繕う。補佐竜と簡単に言っても、師匠の為に幼い竜の世話をしたり、それ以上に手のかかる師匠の世話したりとやたら大変そう。甲斐甲斐しい世話女房みたいですよね。良すぎる補佐竜に当たってしまうと、婚期遅れそう(笑)
 『Landreaall』は、DXとティ・ティガ剣の特訓し、カイルと再戦をすることに。試合でDXの払ったカイルの剣がマクディの傍らに飛ぶこと実に3回。それはDXなりの律義なやり方であって…。されと不満なマクディにライナスが近づいて、次回。ティ・ティもそれなりな奴みたいで、DXに絡んでの話はまだまだこれからの模様。
 『アダ戦記』は、ツキオニの恐怖が蔓延するに従い、不安に駆られた王は軍備を増強し始める。増税に継ぐ増税、足りぬ資金に、それを他国へ求めようと考え初める。危惧する兵士が、アダを探しに来るがいいところですれ違ってしまう。恐怖と不安で、矛先を向ける相手を間違ってしまう相手と対峙するみたいですが、どうなるかというところです。結局自壊して国は亡んでしまうという気がしますが、当てにしていた船が手に入るかが味噌かな?
 以下は、第3回ZERO-SUMコミック大賞最終選考作の4編。綴じ込み葉書を使って、2004-07/28(Wed)消印有効で投票する。
 『SEVEN GHOSTS』だが。ある追われる者が、怪しげな者たちに拾われ助けられる。その者達は、実に外面が良く各々人気者である。そのギャップに頭抱えるも遂に追っ手に見つかり捕えられそうになってしまう。ピンチのその時に、颯爽と現れ追っ手を倒し救ってくれた仕置き人様たちが実はと言う話。さてこの粗筋で、どの作品を連想しただろう。アレンジは変えてあるものの、基本筋は使い古され黴も生えない話に過ぎない。新鮮みがあるとは言えず、アレンジ自体も組み合わせを代えた物で、特に印象深いとは感じられなかった。
 『三界流転』は、石川ゆりの作。業を背負って死んでそれを償う最後の3日間を主人公の際で仕上げるという話。所謂課題を抱えて転がり込んできた厄介者のパターンであると思う。主人公の妹の前世が、その業に関っていた者で同じくその関係者に狙われている。生まれ変わる為に罪根を断ち切らねばならないが、それがその妹と関らない禁である。ところが、またもや見過ごせずにと言う話。全てを不意にできるか、また過ちを重ねるかと言うジレンマの描写など、中々引きつけられるものは有る。
 『君が降ってきた』は、山中こころの作品。これも厄介者がトラブル背負って転がり込んでくるパターンの話。記憶を失っているが不思議な力を持っているその子を、追手から庇ったりとするどたばた物ですが、今一この作品でないと読めない色付け、個性化のアレンジが薄い気がします。当たり障りがなく拒まれ難い感じには仕上げていますが、それだけに毒が薄く同類の他の作品に埋もれて後から思い出し難い印象です。逆の姿になるとか、逃げた追ったという絡みが今一ピンと来辛く、作品が空回りしていて入れない気もする。
 『【イ+鬼】』は、乾みくの作品。【イ+鬼】は人偏に鬼を書いた一字ですが、探せなかったので代字を。基本筋は、鬼を封印から解いたり、忌むべき生まれなのに引き取ってくれた恩義が有ったり、人喰いの鬼が跋扈していたりしています。主人公がうっかりと封印を解いたが、出て来た鬼はまた封印しろという。今は日が悪いので待てという話になるが、そこへまた人が鬼に食われたという知らせが入る。その内主人公が実は鬼の血を引いていて、人々から疎まれていたがある人に拾われ恩義を受けている事を明かす。それを受けて鬼も実は、続く飢饉等に穢れを移され鬼になったのだと明かす、そしてその時庇った兄が鬼となって人を食らい挙げ句に自害したのを見て、自分もそう成る事を畏れ自ら望んで封印して貰ったのだと語る。そしてある日鬼は主人公の恩人に鬼の匂いがするのに気づく。いつの間にか恩人は鬼に食われ取り変られており、狙いは主人公故にと告げられる。そこでその鬼を狙うがそれを見た主人公に誤解され結界に封じられてしまう。その隙に恩人に化けた鬼は主人公を襲うが、鬼が封印を解いて駆けつけた時、主人公は逆に恩人を食らった鬼を倒していた。有りがちな話しですが、光る点もあると思う。主人公を通じてでしか描写されない恩人ですが、喰っても人にはなれぬ豆を渡すことで主人公にいて良い理由を与えたり、取り込まれてからも鬼を倒させる為に喰いたいと漏らして理由を与えるなどしている。主人公も御利益がないと知りつつ、自分のような者がいては迷惑であろうにそれでもここにいて良い理由を与える恩人の心根を組んでいるし、自分を取り込んだ鬼を倒させる為に共々倒させるべく喝を入れている。婉曲ながらも心根のある対応で、それなりに高潔な人物である事がうかがい知れる。それを直接描写せず、主人公に語らせることで、主人公自体の人物像とその恩人への深い恩義と思いも描写しており味わい深い。最初に出て来た封印されたがる鬼が、主人公は鬼ではなく人だから恩人の成れの果てとはいえ手をあげてはならないと、KONO封印されたがる鬼に代わりに倒させる展開もあったと思う。しかしそれでは今度は封印されたがる鬼を恩人の敵と主人公に思わせばならねばならず、良かれと思っても二人の間にわだかまりが残ると思う。封印されたがる鬼がとことん道化周りをしてはいるが、これはこれで光陰の対象として主人公のキャラクターを際出させる事にもなるので、それなりに活かしていると思う。
 4作の中では、一番後に読んだ所為か、乾みくの作品が一番印象深い。有りがちな話であるにも拘らず、独自の見せ方や解釈が利いているのが目を引く。鬼と言えば普通、ひたすら暴力的で恐怖し只倒す為だけか怯える為だけの敵キャラであるが、呪術的な解釈を加え人の業を押し付けられ、それ故に疎まれ忌み嫌われ差別されるところもある社会的弱者な面も出したりと、個性化が利いていると思う。その変った解釈は必ずしも万民に受け入れるとは限らないが、無難であるように納めず、目に止まる色を出したことは評価したい。主人公の心情を語る手口も、まだまだ磨ける余地はあると思うが、この様な手法で次作はどのように延びて行くのかと楽しみなところだ。

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