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2005.05.28

環境破壊

 ブラックバスの一種である、オオクチバスに関する記事を見つけた。

 この処置を横暴で厳しすぎるという意見もあるようだが、むしろ甘すぎて骨抜きにされていると感じる。

 ゴルフと並んで釣りは、享楽の為に積極的に環境を破壊するレジャーである。

 どちらも、社会的発言力の高い大企業の経営陣や政治屋・役人などが好んで檀家となっている為に、色々と便宜が図られているのが現状ではないかと思える。犯罪者予備軍や精神異常者の嗜みとされるヲタク趣味とは好対照だろう。


 天災を除けば天敵らしい天敵のいない人間は、この地球で他の種族の生殺与奪件を一手に握り、既に幾多もの生物種を根絶している。同じように外来種で天敵のいないブラックバスは、釣り人に手厚く保護され、日本の河川の在来種を一掃しようとしているかのようだ。
 ブラックバスは他の魚と同じように釣り人に好んで釣り上げられるが、殺して食するには忍びないと、ほとんど例外なく生きたまま放たれる。そのようなわけで、人すらも天敵とせず逆によき遊び相手として手厚く保護されるブラックバスたちは、元来のタフさも加え異郷の地にあっても何不自由なく富み増えて行っている。
 釣り人によって手厚く保護され、誰阻むことなく個体数を増やして行っている彼らは日本の河川に棲む在来種を人がそうしているように根こそぎ平らげ、駆逐して取って代わろうとしている。彼らは釣り人によって日本に招かれ、釣り人によって日本中の河川に播種され、在来種を一掃して報いるべく日夜励んでいる。


 釣りやゴルフだけでなく、フロンや炭酸ガスに排気ガスなどの有毒物質の散布に対して、それらの発生を抑制したり汚染前の環境を回復する為の研究対策費用はいくらあっても足りず、目標には遥かに届かないのが実状だ。明日亡ぶのでなければ、百年後に亡ぼうが知ったことではないというのが、常識的な見解かもしれない。

 新たに広げるのはまずいが、いまあるモノは仕方がないから取りつぶさないと言うのが、環境省のオオクチバスに対する保護姿勢らしい。船底に、新たな穴を開けるのはよしておくが、今空いている穴は塞がずにそのままにしておくということだ。留めは刺さないが手当てもしないと言い換えてもよいかもしれない。
 カウントダウンが進行中であれば、すぐでなくても最後はいずれくる。
 それで困るのが釣り人だけであるならば、自業自得であれば、それはそれでざまぁみろだろう。しかし実際には、彼らの身勝手の結果は我らも巻き添えにされて、”平等に等しく”被る羽目になる。

 自分勝手に享楽を謳歌するのであれば、その結果にも責任を持つのが大人のやることだろう。
 釣りやゴルフに代表される、生存に必需でない個人的な享楽の為の環境汚染行為に対し、環境破壊税と言った名目ででも代償を徴収し、それらの資金でもって彼らが無意味に破壊した自然環境を回復する償い事業の足しにするべきだろう。
 罪を犯したのであれば、それを償うのが大人の責任の取り方だろう。
 ボクはやりたいようにやるけど、後はママが代わりに謝るから大丈夫…、ではすまされないのではないだろうか?
 漁師が取った魚の内の幾らかが、引き取り手の口に入ることなく無為に廃棄されると言うのに、そうしなければ明日の朝日を拝めないのではなく、ただ享楽のためだけに命を狩るのは、彼ら自身が誉め合う以外は誰もよいとは思わないだろう。

 釣り人が望むがままにブラックバスを保護すると言うのは、判り易く言えば緩慢にではあっても在来種の根絶を宣言したと言うことだ。それを望む釣り人以外の者は、死屍累々の在来種の上に胡坐をかく余所モノのブラックバスしかいない河川を、故郷の風景とは認め難いだろう。

 自分の享楽の為に、他の全ての人の故郷を奪おうとするのであれば、それなりの代償を求められてしかるべきであろう。自分で自分の悪行を止めることもできず、見ずから好んで犯した罪も償えないのであれば、せめて環境破壊税を納めて尻拭きを乞い願うだけの理性程度は求めさせて欲しいモノである。

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